エンジン知識 マツダ

マツダ|SKYACTIVE-G 2.5 燃焼技術 PN低減のカギは?

こんにちは、だいです。

マツダ「SKYACTIVE-G2.5の燃焼技術」について、公式HPに掲載されている論文を用いて解説したいと思います。

今回のテーマは『PN低減』です。

SKYACTIVE-G 2.5 燃焼技術

2017年に発売された新型CX-5に搭載されている『SKYACTIVE-G 2.5』について解説します。

この『SKYACTIVE-G 2.5』の燃焼開発の目標は、欧州排ガス規制『Euro 6d規制』に対応できる燃焼技術。
とくにPN規制に対応できることを目標としたそうだ。

詳細は下記リンク先の論文を参照のこと。

[blogcard url="https://www.mazda.com/ja/innovation/technology/gihou/2016/"]

PN低減のカギは?

PN低減のために主に下記3点の筒内混合気分布設計

①触媒早期暖気
②軽負荷運転
③高負荷運転

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_1

従来以上のエンジン性能とPN低減を両立するためにブレークスルー技術を新たに開発。
ブレークスルー技術により、従来以上の性能とPN低減の両立を確認した。

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_2

そのブレークスルー技術はインジェクターの改良であり項目は以下の通り。
①燃圧UPによる当量比&噴霧長改善
②噴霧長のダイナミックレンジ改善
③インジェクターの制御

ではこれら①~③の技術について解説していく。

燃圧UPによる当量比&噴霧長改善

まず噴霧平均当量比と噴霧長を改善する背景について説明する。

PN(粒子状物質)の排出を抑えるために触媒というものでキャッチして大気中に放出させないようにしている。
その触媒は温度が温まらいと機能が最大限発揮されない。
車を発進させるときなどは温度が低く、早急に温める必要がある。
そのためエンジンの排ガス温度を温めて触媒を温めることをする。
これが触媒早期暖気である。

触媒早期暖気を行う際には、始動時に触媒をいち早く活性化させるため、点火時期を遅角(リタード)させ排出ガス温度を高める。
点火時期遅角により排ガス温度が上昇するのは燃焼期間が長くなるためだ。

点火時期遅角は燃焼安定性に対し不利な条件となるため、ピストンキャビティーへ燃料をトラップし、スパークプラグ近傍の当量比を濃くして(弱成層)燃焼安定性を確保する必要がある。

しかし燃焼安定性が良くなるかわりに、ピストンに燃焼が付着することからPN排出量増加につながる。

そのため新型ではインジェクター噴霧平均当量比と噴霧長を改善。
その結果が下図の通り。

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_3

インジェクター改良に合わせ、高燃圧化と噴射分割数の最適化により、ピストンへの燃料付着量を低減しつつ、プラグ周りのA/Fを改善した。

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_4

結果として触媒早期暖気中のPNも低減させた。

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_5

噴霧長のダイナミックレンジ改善

高負荷時(スロットル開度が前回に近い状態)では筒内の流動が強く、インジェクターの噴霧が気流に流される。
その影響で筒内に局所的に燃料が濃いリッチな場所が形成され、PNが発生する。
そのため流動に打ち勝ち、均質な混合気を形成すつ必要があるのだ。

一方で軽負荷時には流動が弱い。なので流動に打ち勝ってしまいシリンダー壁面やピストンに燃料がついてしまう。
そのため弱い貫徹力の噴霧形成が必要となる。

高負荷と軽負荷を両立するために、噴霧長のダイナミックレンジを拡大。
その結果しっかりと両立を成し遂げた。

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_6

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_7

インジェクターの制御

新型SKYACTIVE-Gでは従来型の最大2分割噴射に対して最大3分割噴射とし、更に分割噴射の運転領域を拡大した。
それに伴い、運転領域ごとの異なる筒内混合気分布要求を実現する噴射量制御のイネーブラーとして、最小噴射量の低減をハードとソフト両面から検討した。

インジェクターは、コイルへの通電によりニードルを引き上げ、通電時間により噴射量をコントロールしている。
しかしながら、ニードルが最大リフト時、コアがコネクターに衝突する衝撃によりバウンスが起こり、これが原因で噴射量のバラツキが発生し、特に噴射量が小さい領域でこのバラツキが大きくなる。

そのため新型では、バウンスを低減できる新構造インジェクターを採用するとともに,インジェクター駆動電流を各噴射圧力に応じて最適化する制御により、最小噴射量を従来型比,約16%低減したのだ。

SKYACTIVE-G_2.5_PN低減_8

以上が論文の説明でした。
併せて以下もお読みいただけると幸いです<m(__)m>

https://www.rough-ni-ikou.com/enjine-book/

-エンジン知識, マツダ

© 2021 CAR-ledge~カーレッジ~ Powered by AFFINGER5