エンジン知識

【エンジンの進角と遅角って何?】バルブ開閉時期や点火時期が燃費出力に与える影響は?

燃焼室

こんにちは、だいです。

エンジンに興味がある方
エンジン技術者
エンジンの知識を深めたい方
に向けて記事を書きたいと思います。

『進角』と『遅角』って何?
その問いに対し、解説していきたいと思います。
私自身いつもわからなくなるので、ぜひ今回記事にして忘れないようにしたいと思います。

進角と遅角って何?

進角と遅角はバルブタイミングや点火タイミングを語る際に使われる表現です。
タイミングを早くするのが"進角"、遅くするのが"遅角"です。

時系列的には遅角の方が進んでいる側なので進角と間違えやすいですが、あくまで基準のタイミングが早いか遅いかで進角・遅角が表現されます。

バルブタイミングとは?

吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングのことを指します。
吸気バルブを例にすると、バルブが開くのを早くする側(破線)が進角、遅くする側(実線)が遅角となります。
バルブタイミング
バルブタイミングを進角・遅角で変化させる理由は実圧縮比実膨張比を変えたいからです。実圧縮比<実膨張比とすることで、PV線図の断熱膨張工程を長くすることができ、熱仕事が増え、サイクル損失が減ります。いわば燃費向上につながるのです。(下図黄色部)
このようにバルブタイミングを可変させることを、ミラーサイクル(もしくはアトキンソンサイクル)と呼びます。
PV線図_圧縮
出典:https://motor-fan.jp/tech/10014902

点火タイミングとは?

スパークプラグで点火(着火)するタイミングのことを言います。

下記のPV線図を用いますと、どのピストンの位置で点火するかでPV線図の赤色の面積をどれだけ大きくできるかが変わってきます。
仮にピストンが一番左の上死点(TDC)で点火した場合がもっとも赤い面積が大きくなります。

表現としては点火時期を早くすることを点火進角、遅くすることを点火遅角(リタード)といいます。
エンジンが高負荷の状態ですと、ピストン上死点で点火した場合は最も燃焼室内の圧力(筒内圧)が大きくなり、ノッキングなど異常燃焼につながる可能性もあるため、点火時期を遅角させることが多いです。
燃焼圧力を最大限回収できないため、出力も下がります。また、PV線図の面積が減るため熱効率が上がらず燃費も悪くなるのです。
そのため前項で示した可変バルブタイミングと組み合わせ、実圧縮比<膨張比とすることでPV線図の面積を最大化して熱効率を上げます。さらに実圧縮比がさがることで筒内圧を下げられるので点火進角でき出力も最大化できるというわけです。

PV線図_圧縮

また、点火進角すると筒内圧が一気に上昇するので燃焼期間が短縮されます。
そうすると、燃焼温度は一時的にピークがたちますが排気ガス温度を下げることができるのです。
イメージでは鍋を10秒強火で温めるか、鍋を5分中火で温めるかの違いです。
火の温度は強火のほうがもちろん強いですが、鍋の温度は5分あぶられる方が熱くなると思います。
点火遅角でエンジンが熱くなった分、その熱は外に逃げていくため冷却損失が大きくなり、熱効率が悪化し、燃費の悪化へとつながるのです。
そのため点火進角で燃焼期間を短縮することで冷却損失低減⇒熱効率向上⇒燃費向上につながるのです。

結論:燃費出力への影響

燃費出力への影響は以下の通りです。

◆燃費への影響
①可変バルタイミングで進角遅角
⇒実圧縮比<実膨張比にする
⇒⇒サイクル損失低減で熱効率向上
⇒⇒⇒燃費向上

②点火進角で燃焼速度UP
⇒排気ガス温度上昇を抑えられる
⇒⇒冷却損失低減で熱効率向上
⇒⇒⇒燃費向上

◆出力への影響
点火タイミングを進角
⇒ピストン上死点で点火
⇒筒内圧最大化で出力向上

以上が進角遅角についてのまとめでした。
可変バルブタイミングや点火については以下の雑誌にも掲載されていますので参考にしてみてください。なおkindleは月額1,000円程度で読み放題なのでおすすめです。

またエンジンについては以下の記事も参考にしてみてください。
よろしくお願いいたします。
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以上、ありがとうございました。

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